4月29日(金)に公開になった話題の映画

「八日目の蝉」。
公開から3週経ってやっと本日近所のシネコンにて観賞


素晴らしい

いつまでも余韻の残る作品で、
エンドロールが終わり、劇場内の照明が点くまで誰も席を立たなかった。
エンドロールに入る直前の暗転も効果的。
そして中島美嘉さんの歌う主題歌

「Dear」も映画のラストを効果的に盛り上げてくれた。
この作品のラストは、何故こんなに余韻を残すのか・・・?
それは、「この人、この後どうなったんだろう?」・・・と、
我々観客に想像させてくれる余地を存分に残してくれているからだと思う。
終わり方も非常に素晴らしい

また、現在と過去のシーンが入れ替わり出て来るが、
編集が素晴らしく、非常に分かりやすくまとまっている。
人間の心の繊細さを巧みな脚本、絶妙なカット&カメラアングルで見事に描写。
その繊細さは女性の原作者、女性の脚本家から来るものなのか?
少なくともこの作品に描かれている「母性」は女性作家ならではのものと言える。
そして、この作品はただ繊細な描写に終わらず、反対に人間の強さをも骨太に描いている。
それを、プロの役者さん達が盛り上げていく。
監督:成島出さん
原作:角田光代さん
脚本:奥寺佐渡子さん
出演:井上真央さん(秋山恵理菜=薫)、永作博美さん(野々宮希和子)、小池栄子さん(安藤千草)、
劇団ひとりさん(岸田)、田中哲司さん(秋山丈博)、森口瑤子さん(秋山恵津子)、
市川実和子さん(沢田久美)、風吹ジュンさん(沢田昌江)、平田満さん(沢田雄三)他
永作博美さんは非常に演技の上手な女優さんだが、本作品でも絶賛に値する演技力を見せてくれた。
「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」に続く映画出演。

「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」でもそうだったが、雰囲気、表情、セリフ・・・全てが良い。
井上真央さんも、NHKの連続テレビ小説「おひさま」の主人公のイメージとは全く違って、
映画

「八日目の蝉」では、「普通でない」暗い過去を持つ女性の心情の変化を体全体で表現。
とても良かったと思う。
ストーリー・・・
1990年、神奈川県平塚市のある住宅街。
秋山夫妻(田中哲司さん、森口瑤子さん)の暮らす家に野々宮希和子(永作博美さん)が忍び込む。
秋山夫妻の家にはまだ生後4ヶ月の秋山恵理菜が一人残されていた。
希和子は秋山と不倫関係にあり、秋山の子を堕ろした過去があった。
そして希和子は子供の産めない体に・・・。
希和子は秋山家から恵理菜を連れ去り、「薫」と名付け、全国を転々とし自分の子供として育てる。
そして恵理菜=薫が4歳になった時、希和子は逮捕され、恵理菜=薫は実の両親の元へと戻る。
しかし、恵理菜=薫にとっての母親はもはや秋山恵津子(森口瑤子さん)ではなく、
野々宮希和子(永作博美さん)となっていたのであった。
法廷に立った希和子は、秋山夫妻に対して「謝罪」ではなく、「感謝」を述べる。
4年間、子育ての喜びを味わわせてくれたことに感謝する・・・と。
事件から20年、恵理菜(井上真央さん)は大学生となっていたが、人との関係を嫌い、
唯一心を許せるのが、不倫関係にある恋人・岸田(劇団ひとりさん)だった。
やがて恵理菜は岸田の子を身ごもる。
そんなある日、恵理菜の元にルポライター・安藤千草(小池栄子さん)が現れる。
千草は、恵理菜の誘拐事件について記事を書きたいと恵理菜に接近する。
千草とは本当は何者なのか・・・?
自分の過去と向き合うため、恵理菜は千草とともに小豆島を訪れる。
小豆島は、恵理菜が「薫」として、野々宮希和子とともに幸せに過ごした場所なのであった。
恵理菜が小豆島で思い出した過去とは・・・?
・・・・・
犯罪を扱った作品だが、とても悲しくて切ない物語。
昨年観た映画
「悪人」を思い出させるようである。

また、我が家にもまだ生後3週間に満たない長女がいる。
そんな時だからこそ、この作品を観ていろいろなことを考えてしまった。
蝉は何年も土の中で過ごし、地上に出てからわずか7日で死んでしまう。
では、8日目まで生き残った蝉がいたとしたら、その蝉は幸せなのであろうか・・・?
たいへん深い問いかけである。
機会があればもう一度観てみたいと思う作品。
お勧め!!
みっきぃパパ

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