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第24回東京国際映画祭コンペティション、スウェーデン映画「プレイ」

10月29日(土)、観賞した3本目の映画は、
第24回東京国際映画祭コンペティション部門に出品のスウェーデン映画「プレイ」。

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TOHOシネマズ 六本木ヒルズの最大の劇場、スクリーン7にて、17:30より上映。

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監督、脚本:リューベン・オストルンド
ライン・プロデューサー:マリー・シェルソン
出演:アナス・アブディラーマン、セバスチャン・ブリケット、ヤニク・ディアキィテー、セバスチャン・ヘグマル、アブディアジズ・ハイロウ、ナナ・マヌ、ヨーン・オーティス、ケヴィン・ヴァズ
言語:スウェーデン語
上演時間:118分

2006年から2008年にかけてスウェーデン第2の都市ヨーテボリで
実際に起こった少年事件を題材にした作品。
12~14歳のソマリアからの移民の5人の黒人の少年が、
数十回に渡るカツアゲ行為を繰り返したという事件である。
彼らが非常に巧妙な「リトル・ブラザー・ナンバー」と呼ばれる手口を利用していたというのが驚きである。

ストーリー・・・

 白昼の街中で堂々とカツアゲ行為を繰り返す5人の黒人の少年達。
 ターゲットは主に白人の少年達である。
 人目につく場所での犯罪行為であるが、多くの大人達は見て見ぬふりであった。
 この事件から見えて来る現代社会が抱える問題とは・・・?

ストーリー自体は大変単純であるが、その単純さの中にあっても、
根底に潜む本当の恐ろしさが何かを深く考えさせられる作品である。
テーマについては、決して単純なものではなく非常に難しい問題を提起している。

移民に対する偏見を深くえぐった非常によくできた作品

カメラアングルが大変特徴的である。
固定アングルで非常に長いカットの連続だったのが最も印象に残った点。
路面電車内のカットなど。
この点に関して、そのネライがなんだったのかについては、
上映後のQ&Aで詳しく聞くことができた。
この作品の最大の特徴と言える。

やはりこれは恐い映画だと思う。
カツアゲという行為そのものにも恐怖感を覚えるが、
それを取り巻く大人達が作った社会の抱える問題にも強い恐怖を感じる。

見て見ぬふりの大人達、被害者の子供達に助けを求められても対応に苦慮する大人達・・・。
それら大人達の行動も理解はできる。
実際に事件にならないと警察が動いてくれないというのは、日本も同じ。
しかし、事件になる前に「予防」はできないのか?そういう社会を築くことはできないのか?
そんなことを考えさせてくれる。

・・・・・

上映終了後にQ&Aが行われた。

登壇者はライン・プロデューサーのマリー・シェルソンさん。
監督が不在の為、マリー・シェルソンさんが全ての質問に回答。

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Q:作品のテーマについて。
A:ヨーテボリで実際に起きた事件を扱った。
  5人の黒人の少年達が数十回に渡るカツアゲ行為。
  日中、何故こんなに何度も人目につく所で同じ事件が起こったのか、監督なりに調査。
  加害者、被害者、警察にインタビューして監督が発見したこと、
  それは、社会の持っている「黒人=恐い」というイメージを逆に利用した犯罪だったということ。

Q:ある部屋で、ピエロが出て来るシーン、女の子が変わった踊りをするシーン、
  少年がクラリネットを吹くシーン・・・これらのシーンの意味は?
A:ピエロのシーンについて・・・。
   ここはカツアゲをした少年達の中の一人の家である。
   彼の家はちゃんとした家であり、楽しいパーティーを開いたりしている。
   生活に困っているわけではないということを示したかった。
  
  女の子が踊るシーンについて・・・。
   これはこの映画のテーマに言及している。
   アフリカンダンス。
   アフリカの文化を知らない女の子の勝手なイメージによるダンスである。
  
  クラリネットのシーンについて・・・。
   クラリネットは裕福な家の子供しか持てない。
   そしてカツアゲを行う黒人の子供達はクラリネットのことさえも知らない。
   それによって生活の差を示したかった。

Q:列車の中に置き去りになったゆりかごの持ち主を鉄道職員が一生懸命探すシーンがあるが。
A:観客の人達は列車の1等席で見ているイメージ。
  起きている問題に無関心。それを示したかった。

Q:固定アングルの長いカットについて。
A:フレームに限界を与えることでエネルギが生まれる。
  シーンを面白くする為に俳優は一生懸命になる。そこにエネルギが生まれる。

Q:長いシーンを子役達がどうやって演技を行ったか?
A:8人の子役達。全員がアマチュア。
  長いシーンは2日かけて撮影。トラムの中から子供達が引き摺り出されるシーンは3日。
  子役達にはサッカーチームの様に、練習に練習を重ねさせた。
  殆どのシーンは最後のシーンを使ったが、ピザを食べるシーンは最初を使った。
  子供達は空腹だったので、良いシーンが撮れた。

Q:観ていて不快な事が多かったが。
A:この映画が不快なイメージを与えるというのが我々には重要なポイント。
  不快になれば、後で話す機会が生まれる。そこがネライ。

また他にも興味深い話がたくさん出てきたが、長くなるのでこの辺で・・・。
ライン・プロデューサーのマリー・シェルソンさん、
ここまで分かりやすく詳細に話すことができるというのは、凄いことだと思う。

映画の深い部分を聞くことができて大満足だった。

・・・・・

恐い、そして不愉快なテーマを扱った作品。
作者のネライ通り、このブログにも意見を書きたくなる。そんな深い作品だった。

10月30日に行われたクロージング・セレモニーで、
リューベン・オストルンド監督が見事、最優秀監督賞を受賞した。

今後の日本での劇場公開を期待したい。

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