2011-12-07(Wed)
イタリア映画「やがて来たる者へ」
12月3日(土)、神保町の岩波ホールで公開中のイタリア映画
「やがて来たる者へ」を観賞

これは、1944年にイタリアで起きた「マルザボットの虐殺」という事件をテーマにした作品。
「マルザボットの虐殺」とは、第二次世界大戦中にイタリア・ボローニャ郊外の小さな村で、
ナチスドイツによって、子供・老人・女性らを中心とする771名の村人が虐殺された事件である。
ナチスドイツに敵対するパルチザン抹殺の為、パルチザンに協力的であるとして、
罪の無い村人達が容赦なく無残に虐殺されていったという実際に起こった痛ましい事件である。
映画
「やがて来たる者へ」は、この実際に起きた事件をテーマにしているが、
映画に登場するのは架空の人物である。
とにかく衝撃的な作品だった。
無抵抗の人々が大量虐殺されるという事件を扱った作品は、ここ数年でも、
ポーランド映画
「カティンの森」、イスラエル映画
「戦場でワルツを」など、何本も劇場公開された。

世界中で繰り返される悲劇。
どうすれば、このような悲劇を繰り返さずに済むのか・・・。
大人達が始めた戦争という愚行に巻き込まれてしまった子供達。
主人公の女の子が静かに物も言わずに冷やかに大人達の愚かな行為を見つめる。
その大きな瞳がたいへん印象的で、心に突き刺さる。
少女の瞳。
ナチスドイツの殺戮行為だけでなく、映画全編に渡り、
村の風景、家族を含む村の人々の様子も見つめ続け、
我々観客も少女の目線でそれらを見つめることができる。
非常に繊細な描写である。
この作品は基本的にイタリア語だが、ドイツ人兵士のセリフはドイツ語である。
しかし、日本語の字幕が付くのはイタリア語のセリフのみというのが興味深かった。
ドイツ語を理解しないイタリア人の村人の目線に合わせているものと思われる。
本国イタリアで公開された時にもドイツ語のセリフにはイタリア語の字幕はやはり付かなかったのであろうか。
印象深かったドイツ語のシーンは、「撃て!(Feuer!)」という上官の命令に躊躇している若い兵士に、
「撃て!と言っただろ!」と怒鳴る上官のシーンである。
命令に逆らうことができなかった若い兵士は、女性・子供・老人達に容赦なく発砲し虐殺する。
今も世界のどこかで同じ様な行為が続けられているはずである。
どうすれば世界の人々に平和が訪れるのであろうか。
本来は過去の愚行から学び、繰り返さない様にしなければならないはずである。
戦争を知らない我々の世代もこのような作品に接することで過去を知り、
未来を考えていかなければならないと思う。
衝撃の強いシーンが数多く出て来る作品だが、
我々日本人もイタリアで実際に起こったこの事件を知る為にも、
是非多くの人にこの作品を観てもらいたいと思う。
・・・・・
映画
「やがて来たる者へ」・・・
監督:ジョルジョ・ディリッティ
脚本:ジョルジョ・ディリッティ、ジョヴァンニ・ガラヴォッティ、タニア・ペドローニ
出演:グレタ・ズッケリ・モンタナーリ(少女マルティーナ)、アルバ・カテリーナ・ロルヴァケル(叔母)、
マヤ・サンサ(母)、クラウディオ・カザディーオ(父)他
・・・・・
ストーリー・・・
1943年12月。第二次世界大戦中のイタリア・ボローニャ郊外の村。
この小さな静かな村でも、ナチス・ドイツ、そして反乱軍パルチザンによる戦闘の空気が漂い始めていた。
農家を営むある大家族。そしてまだ8歳の少女マルティーナ。
マルティーナは心に抱えた傷から家族を含め、周囲の人々に口をきくことは無くなってしまっていた。
しかし、迫りくる戦争の空気の中、家族とこの自然に囲まれた美しい村で毎日を過ごしていた。
一方、村の若者達はパルチザンの仲間になり、ナチス・ドイツに対し反乱を起こすようになっていた。
そして、1944年9月29日、ナチス・ドイツはパルチザン一掃の為、
村へ押し入り、子供・老人・女性達を連行する・・・。
そして悲劇が・・・。
・・・・・
映画の後半は衝撃的なシーンが連続で出て来るが、
今から67年前に実際にイタリアで起こった事件を映像化したものである。
是非この映画を観て、いろいろなことを感じてほしいと思う。
少女の目線でスクリーンに映し出される全ての物、そしてその背景にあるものを読み取ってほしい。
繰り返すが・・・、
世界中で繰り返されるこういった悲劇をどうすれば繰り返さずに済むのであろうか。
映画
「やがて来たる者へ」は、現在岩波ホール等で公開中。
年明けからは全国で順次公開予定。
みっきぃパパ
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これは、1944年にイタリアで起きた「マルザボットの虐殺」という事件をテーマにした作品。
「マルザボットの虐殺」とは、第二次世界大戦中にイタリア・ボローニャ郊外の小さな村で、
ナチスドイツによって、子供・老人・女性らを中心とする771名の村人が虐殺された事件である。
ナチスドイツに敵対するパルチザン抹殺の為、パルチザンに協力的であるとして、
罪の無い村人達が容赦なく無残に虐殺されていったという実際に起こった痛ましい事件である。
映画

映画に登場するのは架空の人物である。
とにかく衝撃的な作品だった。
無抵抗の人々が大量虐殺されるという事件を扱った作品は、ここ数年でも、
ポーランド映画




世界中で繰り返される悲劇。
どうすれば、このような悲劇を繰り返さずに済むのか・・・。
大人達が始めた戦争という愚行に巻き込まれてしまった子供達。
主人公の女の子が静かに物も言わずに冷やかに大人達の愚かな行為を見つめる。
その大きな瞳がたいへん印象的で、心に突き刺さる。
少女の瞳。
ナチスドイツの殺戮行為だけでなく、映画全編に渡り、
村の風景、家族を含む村の人々の様子も見つめ続け、
我々観客も少女の目線でそれらを見つめることができる。
非常に繊細な描写である。
この作品は基本的にイタリア語だが、ドイツ人兵士のセリフはドイツ語である。
しかし、日本語の字幕が付くのはイタリア語のセリフのみというのが興味深かった。
ドイツ語を理解しないイタリア人の村人の目線に合わせているものと思われる。
本国イタリアで公開された時にもドイツ語のセリフにはイタリア語の字幕はやはり付かなかったのであろうか。
印象深かったドイツ語のシーンは、「撃て!(Feuer!)」という上官の命令に躊躇している若い兵士に、
「撃て!と言っただろ!」と怒鳴る上官のシーンである。
命令に逆らうことができなかった若い兵士は、女性・子供・老人達に容赦なく発砲し虐殺する。
今も世界のどこかで同じ様な行為が続けられているはずである。
どうすれば世界の人々に平和が訪れるのであろうか。
本来は過去の愚行から学び、繰り返さない様にしなければならないはずである。
戦争を知らない我々の世代もこのような作品に接することで過去を知り、
未来を考えていかなければならないと思う。
衝撃の強いシーンが数多く出て来る作品だが、
我々日本人もイタリアで実際に起こったこの事件を知る為にも、
是非多くの人にこの作品を観てもらいたいと思う。
・・・・・
映画

監督:ジョルジョ・ディリッティ
脚本:ジョルジョ・ディリッティ、ジョヴァンニ・ガラヴォッティ、タニア・ペドローニ
出演:グレタ・ズッケリ・モンタナーリ(少女マルティーナ)、アルバ・カテリーナ・ロルヴァケル(叔母)、
マヤ・サンサ(母)、クラウディオ・カザディーオ(父)他
・・・・・
ストーリー・・・
1943年12月。第二次世界大戦中のイタリア・ボローニャ郊外の村。
この小さな静かな村でも、ナチス・ドイツ、そして反乱軍パルチザンによる戦闘の空気が漂い始めていた。
農家を営むある大家族。そしてまだ8歳の少女マルティーナ。
マルティーナは心に抱えた傷から家族を含め、周囲の人々に口をきくことは無くなってしまっていた。
しかし、迫りくる戦争の空気の中、家族とこの自然に囲まれた美しい村で毎日を過ごしていた。
一方、村の若者達はパルチザンの仲間になり、ナチス・ドイツに対し反乱を起こすようになっていた。
そして、1944年9月29日、ナチス・ドイツはパルチザン一掃の為、
村へ押し入り、子供・老人・女性達を連行する・・・。
そして悲劇が・・・。
・・・・・
映画の後半は衝撃的なシーンが連続で出て来るが、
今から67年前に実際にイタリアで起こった事件を映像化したものである。
是非この映画を観て、いろいろなことを感じてほしいと思う。
少女の目線でスクリーンに映し出される全ての物、そしてその背景にあるものを読み取ってほしい。
繰り返すが・・・、
世界中で繰り返されるこういった悲劇をどうすれば繰り返さずに済むのであろうか。
映画

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