2019-12-01(Sun)
第32回東京国際映画祭・CROSSCUT ASIA、ベトナム映画「死を忘れた男」
第32回東京国際映画祭、3番目に観賞したのは、
「国際交流基金アジアセンター presents
CROSSCUT ASIA ♯06 ファンタスティック! 東南アジア」部門に出品の
ベトナム映画
「死を忘れた男」。

11月3日(日)20:10~
TOHOシネマズ六本木ヒルズ・スクリーン9にて。
「CROSSCUT ASIA」(クロスカット・アジア)とは、
アジアの国・監督・テーマ等に焦点を当て、アジア映画を特集する部門で、
今回は6回目となり「ファンタスティック!」をテーマにしている。

映画
「死を忘れた男」・・・
原題: Nguoi Bat Tu
英題: The Immortal
監督: ヴィクター・ヴー
脚本: ヴィクター・ヴー、ティロケイ・グエン
キャスト: クァック・ゴック・グアン、ディン・ゴック・ジェップ、ジュン・ヴー、
タン・トゥ、フランソワ・ネグレ他
製作国: ベトナム
言語: ベトナム語
製作年: 2018年
上映時間: 130分
ベトナムのホラー作品。
テーマは輪廻転生。
黒魔術による不老不死の力を得て300年以上も生き続けている男フンの物語。
全編に散りばめられた緊張感と美しいカットの数々
美しい海岸や洞窟のカットは、緊張感のあるカットに挟まれながらも癒される
その洞窟は、
世界最大規模と言われる、ベトナム中部の「ソンドン洞窟」とのこと。
現代のベトナムの大都会からベトナムの戦争前の時代まで
様々な時代のベトナムを描く
70年にも渡る物語であるが、
脚本がしっかりしている為、ストーリーの理解もしやすい。
黒魔術により不死を手に入れた主人公だが、
生きるとは何か?死とは何か?についても考えさせられる。
脚本、演出、音響、映像表現、役者の演技力、全てに渡り素晴らしい
日本での劇場公開を願いたい。
・・・・・・・・・・
上映後はQ&A。
ヴィクター・ヴー監督が登壇。

ヴィクター・ヴー監督:
「今回お招き頂きたいへんありがたく感じています。
日本に来るのは今回3回目。大変嬉しい」
観客:
「今回の物語はどの様に考えた?」
ヴィクター・ヴー監督:
「元々超常現象とかホラー映画などに興味を持っていた。
ベトナムにおいては文化の日々のありように精神性というものが大きく役割を担っている。
そういう訳で、生きること、死ということついてのこの大きな疑問に、
随分以前から心を惹かれていた。
主人公が死に直面した時に、自分を不死身にしてもらうという機会を得るが、
この様に自然に反することをしてしまうと、その結果がどんなものになるのか
ということにとても興味があった。
人間はずっと昔から常に死にどう向き合うかについて、
様々な精神性、或いは魔術の様なものを使って、対処してきた。
それはより良く生きることのためだったとは思うが、
この場合は主人公がそういった力を借りて不死身になるわけだが、
そこで出て来る疑問は、自然に反すること、ある意味では神に歯向かうこと、
特に黒魔術を使ってそういうことをした場合、その結果がどうなるのか、
その答えは今日の映画でご覧頂けたかと思う」
観客:
「この映画を作る上で最も難しかったことは?」
ヴィクター・ヴー監督:
「難しい点ばかりの映画だった。テクニックの点では今までで一番難しかった。
特に難しかったのは2つあって、一つは洞窟の場面。
あれはスタッフ皆にとって本当に大変だった。
あの洞窟に行くのに、山を登り、水の中を泳いで、1時間半かけてあの現場に着く。
それを毎日、朝1時間半、帰りも1時間半かかる。
毎日繰り返して12日間かかった。
時には撮影時間が6時間しか得られないこともあった。
「サンドン洞窟群」というのは世界で最も大きな洞窟群で、大変美しいが、
あのロケ地というのはそのほんの入口の部分なのだが、
あまりに美しいので、それだけ苦労をしてもそこを撮る意味があると思った。
その12日間で5キロ痩せて、アシスタントは11キロ痩せた。
健康には良かったが、大変だった。
「サンドン洞窟群」で撮られた初めての映画。
あの現場はその入口に当たる所で、
もっと中に入るには一週間もかかるような所なので、あそこで撮った。
もう一つの物理的に難しかった撮影は、トラックでの戦いのシーン。
主人公が強い酸を口に含んで自分をチェーンから解き放つが、
あれを撮るのに5日かかった。
撮影時が年の内最も暑い時だった。
摂氏46℃から47℃の気温の炎天下で、
あの主人公は色々特殊メイクを付けているが、それプラス色々な物を付けている。
あの中であの撮影をさせるというのはとても過酷なもので、
スタントマンは途中で何度も交代させないと無理だった」
観客:
「ロケ地はどの様に選んだ?
主人公の感じていることと並行して、あういう場所で撮影したことについて」
ヴィクター・ヴー監督:
「場所、ロケ地というのは登場人物の一人の様なものだと思っている。
それは、登場人物がどんな場所にいるかによって、
観る人が受け取る感じが随分変わって来るからである。
そういうわけで、ロケ地を探すのは大変難しい長い時間がかかった仕事だった。
1年半かけた。
私にとってはベトナム中を旅することができる素晴らしい体験になった。
その中で美しい圧倒されるような場所にたくさん出会ったが、
勿論それを全部一本の映画に収めることはできないので、泣く泣く諦めた場所もあった。
そして、主人公の心理がどんどん変化する、そして彼自身が進化していく中で、
それが場所と確かに連動しているというご指摘はその通りで、その様に作っている。
例えば、主人公がズエンともう一度愛を見出す場所は、静かな海辺にしてある。
そうすることによって、主人公がまた静かな平穏な心持になっているということを感じて頂き、
再び生れ出た、再生したという様な感じを出したかった。
そして洞窟に関しては、最初のシーンも最後のシーンも洞窟だが、
これは、洞窟が人間の原始の状態を表しているからだと思うから。
洞窟に入ることで、もう一度生まれ、そして死ぬという、何か原始的なもの、
有機的なものを洞窟に感じる。それであういう場所を選んだ」
観客:
「監督がこれまで作った作品で、影響を受けた作品や監督は?」
ヴィクター・ヴー監督:
「私はアメリカで育ったので、
映画学校に行く前に特に影響を受けた3人の監督を挙げるとすれば、
ヒッチコック、黒澤明、スコセッシ。
しかし映画学校に行ってからは、様々な国の様々な映画監督の作品に触れ、
例えば、フランス、イタリアの監督の作品などもたくさん観ることができて、
また別の影響を受けたが、育つ中で影響を受けて、
映画というものに惹かれたのは、今の3人」
ヴィクター・ヴー監督:
「色々あるが、特に何度でも観られる位に好きなのは、
『羅生門』、『影武者』、『乱』。
『乱』はそのスケールの大きさに圧倒された」
みっきぃパパ
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CROSSCUT ASIA ♯06 ファンタスティック! 東南アジア」部門に出品の
ベトナム映画


11月3日(日)20:10~
TOHOシネマズ六本木ヒルズ・スクリーン9にて。
「CROSSCUT ASIA」(クロスカット・アジア)とは、
アジアの国・監督・テーマ等に焦点を当て、アジア映画を特集する部門で、
今回は6回目となり「ファンタスティック!」をテーマにしている。

映画

原題: Nguoi Bat Tu
英題: The Immortal
監督: ヴィクター・ヴー
脚本: ヴィクター・ヴー、ティロケイ・グエン
キャスト: クァック・ゴック・グアン、ディン・ゴック・ジェップ、ジュン・ヴー、
タン・トゥ、フランソワ・ネグレ他
製作国: ベトナム
言語: ベトナム語
製作年: 2018年
上映時間: 130分
ベトナムのホラー作品。
テーマは輪廻転生。
黒魔術による不老不死の力を得て300年以上も生き続けている男フンの物語。
全編に散りばめられた緊張感と美しいカットの数々

美しい海岸や洞窟のカットは、緊張感のあるカットに挟まれながらも癒される

その洞窟は、
世界最大規模と言われる、ベトナム中部の「ソンドン洞窟」とのこと。
現代のベトナムの大都会からベトナムの戦争前の時代まで
様々な時代のベトナムを描く

70年にも渡る物語であるが、
脚本がしっかりしている為、ストーリーの理解もしやすい。
黒魔術により不死を手に入れた主人公だが、
生きるとは何か?死とは何か?についても考えさせられる。
脚本、演出、音響、映像表現、役者の演技力、全てに渡り素晴らしい

日本での劇場公開を願いたい。
・・・・・・・・・・
上映後はQ&A。
ヴィクター・ヴー監督が登壇。

ヴィクター・ヴー監督:
「今回お招き頂きたいへんありがたく感じています。
日本に来るのは今回3回目。大変嬉しい」
観客:
「今回の物語はどの様に考えた?」
ヴィクター・ヴー監督:
「元々超常現象とかホラー映画などに興味を持っていた。
ベトナムにおいては文化の日々のありように精神性というものが大きく役割を担っている。
そういう訳で、生きること、死ということついてのこの大きな疑問に、
随分以前から心を惹かれていた。
主人公が死に直面した時に、自分を不死身にしてもらうという機会を得るが、
この様に自然に反することをしてしまうと、その結果がどんなものになるのか
ということにとても興味があった。
人間はずっと昔から常に死にどう向き合うかについて、
様々な精神性、或いは魔術の様なものを使って、対処してきた。
それはより良く生きることのためだったとは思うが、
この場合は主人公がそういった力を借りて不死身になるわけだが、
そこで出て来る疑問は、自然に反すること、ある意味では神に歯向かうこと、
特に黒魔術を使ってそういうことをした場合、その結果がどうなるのか、
その答えは今日の映画でご覧頂けたかと思う」
観客:
「この映画を作る上で最も難しかったことは?」
ヴィクター・ヴー監督:
「難しい点ばかりの映画だった。テクニックの点では今までで一番難しかった。
特に難しかったのは2つあって、一つは洞窟の場面。
あれはスタッフ皆にとって本当に大変だった。
あの洞窟に行くのに、山を登り、水の中を泳いで、1時間半かけてあの現場に着く。
それを毎日、朝1時間半、帰りも1時間半かかる。
毎日繰り返して12日間かかった。
時には撮影時間が6時間しか得られないこともあった。
「サンドン洞窟群」というのは世界で最も大きな洞窟群で、大変美しいが、
あのロケ地というのはそのほんの入口の部分なのだが、
あまりに美しいので、それだけ苦労をしてもそこを撮る意味があると思った。
その12日間で5キロ痩せて、アシスタントは11キロ痩せた。
健康には良かったが、大変だった。
「サンドン洞窟群」で撮られた初めての映画。
あの現場はその入口に当たる所で、
もっと中に入るには一週間もかかるような所なので、あそこで撮った。
もう一つの物理的に難しかった撮影は、トラックでの戦いのシーン。
主人公が強い酸を口に含んで自分をチェーンから解き放つが、
あれを撮るのに5日かかった。
撮影時が年の内最も暑い時だった。
摂氏46℃から47℃の気温の炎天下で、
あの主人公は色々特殊メイクを付けているが、それプラス色々な物を付けている。
あの中であの撮影をさせるというのはとても過酷なもので、
スタントマンは途中で何度も交代させないと無理だった」
観客:
「ロケ地はどの様に選んだ?
主人公の感じていることと並行して、あういう場所で撮影したことについて」
ヴィクター・ヴー監督:
「場所、ロケ地というのは登場人物の一人の様なものだと思っている。
それは、登場人物がどんな場所にいるかによって、
観る人が受け取る感じが随分変わって来るからである。
そういうわけで、ロケ地を探すのは大変難しい長い時間がかかった仕事だった。
1年半かけた。
私にとってはベトナム中を旅することができる素晴らしい体験になった。
その中で美しい圧倒されるような場所にたくさん出会ったが、
勿論それを全部一本の映画に収めることはできないので、泣く泣く諦めた場所もあった。
そして、主人公の心理がどんどん変化する、そして彼自身が進化していく中で、
それが場所と確かに連動しているというご指摘はその通りで、その様に作っている。
例えば、主人公がズエンともう一度愛を見出す場所は、静かな海辺にしてある。
そうすることによって、主人公がまた静かな平穏な心持になっているということを感じて頂き、
再び生れ出た、再生したという様な感じを出したかった。
そして洞窟に関しては、最初のシーンも最後のシーンも洞窟だが、
これは、洞窟が人間の原始の状態を表しているからだと思うから。
洞窟に入ることで、もう一度生まれ、そして死ぬという、何か原始的なもの、
有機的なものを洞窟に感じる。それであういう場所を選んだ」
観客:
「監督がこれまで作った作品で、影響を受けた作品や監督は?」
ヴィクター・ヴー監督:
「私はアメリカで育ったので、
映画学校に行く前に特に影響を受けた3人の監督を挙げるとすれば、
ヒッチコック、黒澤明、スコセッシ。
しかし映画学校に行ってからは、様々な国の様々な映画監督の作品に触れ、
例えば、フランス、イタリアの監督の作品などもたくさん観ることができて、
また別の影響を受けたが、育つ中で影響を受けて、
映画というものに惹かれたのは、今の3人」
ヴィクター・ヴー監督:
「色々あるが、特に何度でも観られる位に好きなのは、
『羅生門』、『影武者』、『乱』。
『乱』はそのスケールの大きさに圧倒された」
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