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第23回東京国際映画祭コンペティション、日本映画「海炭市叙景」

第23回東京国際映画祭コンペティション部門に出品の日本映画「海炭市叙景」。

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映画祭8日目の10月30日、台風で悪天候の中、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて観賞
上映開始はかなり遅い時間で、19:50。

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TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、スクリーン6にて。

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「海炭市叙景」は、11月27日にまずは函館のシネマアイリスで先行ロードショー。
そして、12月18日から渋谷ユーロスペース等で全国ロードショーが決定している作品。

監督:熊切和嘉さん
出演:谷村美月さん、竹原ピストルさん、加瀬亮さん、三浦誠己さん、山中崇さん、南果歩さん、小林薫さん

5つの短編からなる映画。
しかし、5つのストーリーは完全に独立したものではなく、相互にオーバーラップする作りとなっている。

原作は、函館出身の故・佐藤泰志さんの小説「海炭市叙景」。
小説「海炭市叙景」は、
函館をベースにした「海炭市(かいたんし)」という架空の街を舞台にした18の短篇からなる。

映画化されたのはこの内、5篇。

1、まだ若い廃墟
 
 海炭市では、ある造船所が大規模な人員削減を行うことになる。
 それにより颯太(竹原ピストルさん)も職を失う。
 船が全てだった颯太。
 それまでは貧しいながらも妹の帆波(谷村美月さん)と幸せに暮らしていた。
 そして大晦日の夜、兄妹は初日の出を見に山へ登る。
 そして元旦の朝、颯太が買った下りロープウェイの切符は、帆波の分ただ1枚だけだった・・・。

2、ネコを抱いた婆さん

 老婆トキ(中里あきさん)は古い一軒家に一人暮らし。
 この家が立つ地域は再開発のため、トキも立退きを迫られている。
 しかし市役所職員のまこと(山中崇さん)の説得にも耳を貸さず、立退きを拒否し続けている。
 そんなある日、飼い猫のグレが突然姿を消す・・・。

3、黒い森

 プラネタリウムで働く中年男性、隆三(小林薫さん)。
 反抗期の息子と、水商売で働く妻の春代(南果歩さん)。
 隆三と春代、そして息子との間には大きな溝ができてしまっていた。
 ある日、仕事に出かけた春代は朝まで帰って来なかった。
 ますます夫婦の溝は開くばかり。
 ついに隆三は春代の職場へ乗り込み妻を取り戻すよう決意を固める・・・。
 
4、裂けた爪

 小さなガス会社の社長、晴夫(加瀬亮さん)。
 ガス事業だけでなく、新しくフィルター販売にも手を出すものの上手くいかない。
 また、晴夫の不倫に精神的負担を感じている妻・勝子(東野智美さん)は、
 息子のアキラ(小山燿さん)に虐待を続けていた。
 仕事でも家庭でも不安定要素を抱えている晴夫。
 ある日、晴夫がトラックの荷台からガスボンベを降ろそうとした際、
 誤って自分の足の上に落としてしまう・・・。

5、裸足

 路面電車の運転手、達一郎(西堀滋樹さん)は息子・博(三浦誠己さん)を見掛ける。
 東京で働いている博は、故郷に戻ってきていたが父に会おうとしなかった。
 そしてある日、お墓で偶然遭った父と子。
 2人はバスに乗り、互いに会話を交わす・・・。

1話1話に深い味わいがあり、完全に引き込まれてしまった。
映画「海炭市叙景」は2時間半以上の長い作品だが、長さを全く感じなかった。

それぞれの短編の完成度が非常に高いのだが、
うまい具合に相互に関連しあった巧みな構成が素晴らしい

派手さの無い映像も美しく、音も良い。
役者さん達の演技も素晴らしい。
多くの出演者は、現地の一般人だということも驚きである。

・・・・・

上映終了後、22:25からQ&A。

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登壇者は熊切和嘉監督。

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Q&Aは、観客から直接作品に関する質問を受け、登壇者がそれに回答していくというもの。
作品を深く知るのに非常に良い機会である。

Q&Aでは以下の様な興味深い話をたくさん聞くことができた。

Q:「海炭市叙景」の製作のきっかけは?
A:(熊切監督)
 函館の「シネマアイリス」の支配人、菅原和博さんと出逢って、初めて原作を読んだ。
 菅原さんの企画で映画化の話が進み、監督は誘われたような感じ。

Q:最近は函館でも昔のようにあまり雪が降らないと聞いたが、雪の景色をどう撮った?
A:(熊切監督)
 撮影期間は1ヶ月半位。
 急遽、後のシーンを前に持ってきたりして対応。

Q:いろいろなストーリーがクロスオーバーしているが、
 老婆の物語「ネコを抱いた婆さん」だけが他のストーリーとの繋がりが薄い。その意図は?
A:(熊切監督)
 そんなつもりはない。
 加瀬君のシーン「裂けた爪」にも出てきたりした。
 「ネコを抱いた婆さん」は原作にもある。
 原作は18篇で、冬篇が9話、春篇が9話である。
 「ネコを抱いた婆さん」だけ、2章の春篇から持ってきたもの。
 だから、他と繋がりが薄く感じるのかな?

Q:人物造形について、脚本の工夫が感じられる。
 いろいろなストーリーに関わる三浦誠己君は苦労していたと思う。
 観る人はみんな三浦君の視線で観るのではないか?
 役者に対して、こうしてほしいとか、言ったりするか?
A:(熊切監督)
 三浦君の場合は放置。

Q:カットの長いシーンについて。
A:(熊切監督)
 いつもは1人の主人公にフォーカスして撮る。
 しかし今回は5人の主人公で、たいへんだった。
 撮りながら次のことを考えようとしていた。
 
 「まだ若い廃墟」で出てきた造船所の進水式は一発勝負だった。
 動物的な勘で撮った。
 これは本物の進水式。音もその場で取ったもの。

Q:どうやってロケ地を選んだ?
A:(熊切監督)
 原作のイメージを大切に。
 なるべく観光地では撮らないようにした。
 現地の人の協力。そして、自分でも歩いてロケ地を探した。

Q:キャスティングについて。
A:(熊切監督)
 谷村美月さんは早い段階からプロデューサと話して決まっていた。
 
 加瀬亮さんは「アンテナ」で共演していた。信頼できる役者さん。
  
 小林薫さんは今回なさけない役だが、プラネタリウムで座っているイメージに合った。
 
Q:キャスティングについて重要な点。メインキャスト以外は皆現地の人。
A:(熊切監督)
 加瀬亮さんの妻を演じた方も素人。オーディションで選んだ。
 最初は不安で自信が無さそうな感じ。
 この方だけ3回オーディションをして、ある段階になって「これはいける!」となった。
 最後は女優さんになっていた。
 
 三浦誠己さんの父親役も素人。
 ほとんどが現地でのオーディンで選んだ。
 老婆トキ、トキの猫グレ、スナックの女性達は、スカウト。
 
Q:キャラクター同士の関係が良く分かったり、分からなかったりしたが、
 誰と誰を明らかにして、誰と誰とを明らかでなくしたり・・・どういう風にした?
A:(熊切監督)
 「分かるかな?」という最低限の情報は入っている。
 どこかで吸い取るように感じてみてもらえればと思う。

こんな感じで次々と効率良くQ&Aのネタが出て来て満足だった。
他にもあったが、長くなるのでこのへんで・・・。

・・・・・

Q&Aの最後、なんと客席で観ていたというキャストの三浦誠己さんが急遽登壇。

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このように、映画祭では役者さんやスタッフと観客との距離感が薄くなる所も魅力だったりする。

Q&Aは22:57に終了。

・・・・・

映画「海炭市叙景」、感動しました

お勧め作品です。

来月劇場公開予定なので、興味のある方は是非!

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